はる

マリッジ・ストーリーのはるのレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
4.5
私もちょうどヘンリーくらいの歳に両親が離婚したので、ちょっとトラウマを抉られたような感覚になりました。特にアダムドライバーとスカヨハが口汚く罵り合うシーンですね。この手のシーンが度々出てきますけど、2人の演技力が凄まじいのもあって嫌な思い出が蘇ってしまいました。両親について覚えている事ってまさにあんな感じで顔を合わせれば罵り合う姿だけで、私の場合は両親が仲良くなんて記憶はミリもありません。劇中の2人は離婚裁判が激化する瞬間もあれど、お互いの確かな愛が垣間見える分羨ましくも思えました。ヘンリーのどこか気怠そうな感じもとにかくリアルで観ていて辛いところでした。私もあんなだったなと。
吹替と字幕で二回観たんですが、アダムドライバーとスカヨハはとにかく声が魅力的な役者なので、こればっかりは確実に字幕案件だと思います。冒頭の手紙を読み合うシーンからグッと掴まれますし、全編に渡って過度に悲観的でなく、なんならコミカルさすらあるのが本当にリアルなんですよね。主演2人の芝居はあまりに良かったですし、ローラダーンも見事と言わざるを得ないですよね。
離婚がいかに体力を浪費するのか思い知らされながら、その中で見えてくるもの。そして愛の形についても感じるところがありました。今度のアカデミー賞でも健闘して欲しいと思える素晴らしい作品でした。
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