ドキュメンタリーを観ているかのような自然さ。
大きな出来事があるわけではないけれど、気がつけば時が過ぎ終わりを迎えていた。
スカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーをはじめ、役者さんの演技力に引き込まれた。
ニコールの意志を、意図せずして(多分)反故にし続けてきたチャーリー。
最初は褒めちぎっているように感じたチャーリーの良いところが、ラストには彼女の苦しみの要因だったことが分かる。
強く意識していないのに「支配」してしまう。
社会の中でもそれはそうで、ノラが語るように「母親は完璧でなくてはいけない」。
一つひとつの支配は小さくとも、いつの間にかそれが人生ごと操られてしまい、関係性の崩壊につながる。
チャーリーは最後まで、ニコールの監督の才能には気付いていない。そこがなんとも切なかった。