法政大学2部映画研究会

マリッジ・ストーリーの法政大学2部映画研究会のレビュー・感想・評価

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)
3.9
(某部員Y)
親権などをめぐる、離婚調停を描いた映画ではありますが、他の離婚を扱った映画と少し違うのは、夫と妻がお互いに相手を尊重していて、「愛」をもって接しているということ。
相手から取れるだけ取ろうなんて考えはさらさら無くて、でも時には本意に反したことを言ったり、しちゃったり...。なんだか、離婚って修復不可能だから最後にとる手段であるはずだけど、必ずしも相手が憎たらしくて、二度と顔なんか見たくない奴ではないのかもしれない。本作のように、けじめとしての離婚ではあるけれど、愛が失われたための離婚ではない夫婦というのは、実際には案外いるのかも...なんて思いました。

アダム・ドライバーもスカヨハも最高でした。自分が男だからっていうのがあるとは思いますが、ついつい夫に同情してしまいました。男っは、夫は、パパは、どこで間違えちゃったのかなぁって、一緒になって考えてしまいました。ただひたむきに、家族のために、時には道に外れた事もしたけど、がむしゃらに頑張ってきたつもり。一体いつ間違っちゃったんだろう...。そんな哀愁漂う夫役を見事にアダムは演じていました。