時間は平等で、良き人にも悪き人にも等しく一日24時間しかないけど、一日をまるで48時間か72時間分生きようとした男の話。きっと彼はもう疲れ切っているんだろうな。でも、生きている限り、きっとそういう風に落ち着きなく動き回ることをやめられないんだろうな。
とにかくせわしない映画だったけれど、主人公がふとレストランのピアノ演奏に聴き入って、ひとり佇むところを見ていると、本当は彼はどこかで停止したいけれど、止め方を知らないんじゃないかと思えて、嫌いにはなれない。時計の歯車は故障しない限り、動き続けるように。
しかしだからと言って、主人公の名前(ギア)は、いくら何でも露骨すぎると思います。