相変わらずウェルマンは撮りこぼしません。西部の王者と同じ伝記モノでさらに光ります。出会いから別れに至るまでの必然的で主観的で運命に左右されるバーバラスタンウィックは、もはやスタンバーグにおけるマレーネディートリヒでした。馬に乗って走り出して森の中で愛を告げ合う夢のようなシーン。亡き妻を念頭に置いた選挙演説の終わりに、ジョエルマクリーが彼女の幻を見るシーン。感動的でスタンバーグをみた気分ですが、町を一から作る具体的な道のりが一先描かれずむしろ酒場で協力者を殺してしまったり、妻が死んだと知ったら知らない間に再婚し子供までいるジョエルマクリーはあまり英雄ではなく、伝記作家の言うようにバーバラスタンウィックが銅像に相応しいです。
彼女以外誰の記憶にも残らないブライアンドンレヴィも素晴らしいと思います。
「次は幸運を」
降りかかる運命に対して自分の足でたつのはディートリヒとスタンウィックに共通する魅力で、本当に素敵です。この後激流にのみこまれると分かっていてもドキドキ。