ノラネコの呑んで観るシネマ

ブリング・ミー・ホーム 尋ね人のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.3
14年ぶりのイ・ヨンエ。
双子の子育てで忙しかったんだろうな。
相応に歳はとったが、相変わらず美しい。
6年前に幼い息子が行方不明になった彼女の元に、有力な情報がもたらされ、救出に向かう。
中国映画の「最愛の子」に似た話だが、テイストはホラー。
韓国の田舎というのは、アメリカ南部に匹敵するホラーどころだと思っているのだが、この映画も主人公以外の大人の登場人物が揃いも揃って人間のクズばかり。
それでいて、実話かと思うくらい妙なリアリティがあるのが恐ろしい。
おそらく、カエル少年失踪事件とか塩田奴隷労働事件とか、実際に起こった幾つかの事件をモデルにプロットを構成しているのだろうが、韓国ってこんなに児童失踪件数が多いの?
終盤はパク・チャヌクの復讐三部作を思わせる展開で、最後まで容赦無し。
しかし行方不明になった我が子が、奴隷にされているとか、親にとっては最悪の悪夢だろう。
母になったイ・ヨンエが、この作品を復帰作に選んだ心情もよく分かる。
本作がデビューのキム・スンウも上手い。
徹底して閉塞させ、ドーンとヘビーに落とす。
これぞ韓国映画!
ブログ記事:
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