永遠の寂しんぼ

マトリックス レザレクションズの永遠の寂しんぼのレビュー・感想・評価

3.3
『伝説の後日譚を作る難しさ』

マトリックスの一作目は間違いなく映画史に残るレベルの革命的な一本。続編の『リローデッド』と『レボリューションズ』は一作目と比べるとインパクトの強さでは大きく劣るし話がやたら難解ではあるが、それぞれアクションは見応えはあった。そして今回の4作目『レザレクションズ』は、まあ正直微妙だった。伝説的な3部作の続編を無理して作ってしまった感は否めない。

何よりアクションが微妙なのが痛い。中盤の新幹線内のアクションとかカーチェイスのシーンとか編集がごちゃごちゃしていて誰がどういう動きをしてるのか全然わからなかった。マトリックスのセールスポイントであるアクションが今までより退化してちゃあどうしようもない。

ネオを取り巻く現実世界とマトリックスのメタ構造は面白かったものの相変わらず世界観はややこしいし、スミスの俳優が変わってるせいで、過去3部作のデジャブ的シーンも訳がわからない事になっていた。

良かった点は今作は『レボリューションズ』で人類の為に犠牲になったネオとトリニティの救済の物語であるという点。正直あの終わり方にモヤモヤしていた身としては2人が救われるストーリーが観れて良かった。2人が成し遂げた事が今作でキッチリ守られていて、やっぱり機械と人間の戦争はまた始まっちゃいました、みたいな事にならなかったのも良いと思う。

5作目があるのかどうかは分からないが、上記の制約のせいで過去3部作を超えるような大規模な戦争とかは描けないだろうし、スミスの役者を変えてまで続けるものでもないと思うので、ここで終わっておくのが無難だと思う。