ゆみゆみ

街の上でのゆみゆみのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.0
スコアが付けにくい。☆4.3の威力は感じなかったけど、好きな作品であることは間違いない。


下北沢で古着屋を営む荒川青(若葉竜也)は今まさに彼女川瀬雪(穂志もえか)と別れ話をしている。彼女が浮気をしたからだ。それでも別れないと言い張る青だが結局別れてしまう。そんな折、学生の自主制作映画に出て欲しいと依頼を受ける青。


下北沢だけを生活圏としている青ってだけで惹かれる。どこにも出て行かなくても事済む生活の小ささ。もちろん都会だからだけど。そして主人公荒川青の普通さと善良さが心地良くてぼんやり観てしまった。途中で何を観てんだろって、ふと我に返ったりしたけど笑
元カノ、古本屋の店員田辺冬子(古川琴音)、元カレに2番目宣言されても許す女の子、学生自主制作の映画監督、その手伝いをする大学生城定イハ(中田青渚)、出てくる女性が面白い。みんなどこか恋愛に一癖あって、だけど人の数だけ恋愛の仕方があってその結末も色々。そう言うのを個性って言うし、そういうのが人を面白くするなって思う。
男性の方も面白い。元カノに2番目に好きと平気で言う男、警官、古本屋の店長、自主制作のスタッフの学生、自主制作のスタッフの元カレ、一癖も二癖もあってどれも面白い。
個性の宝庫がこの街の魅力だし、この街の上で日々を繰り返して生きてる。
(付き合ってた)期間の長い短いの概念は一番無駄。
「明日死ぬかもしれんのにな」と言った城定イハの言葉が心に残ってる。

まるで紙兎ロペを見てるような会話劇。ゆっるゆるな内容で、とにかくツッコミたくて仕方ないシーンが多くて、これはツボにハマる人にはたまらんなって思った(私はツボです)。
あってないようなストーリーに思えて終盤に一気に畳みかけてくる。それはそれは気持ちがいい。

古川琴音可愛いね。これ2019年に撮ってるのかな。去年公開の予定だったはず。彼女去年に朝ドラや民放ドラマに立て続けに出て有名になったよね。菅田将暉のMVにも出てた。前作のhisでもブレイク前の宮沢氷魚を主役にしてて、今泉監督って先見の明があるなぁって思った。
あと、友情出演の成田凌の良さ。アレは卑怯。面白すぎる。成田凌って上手いなぁホント。
それからドラマhisで主人公渚を演じてた倉悠貴がすっごい端役で出てた。贅沢。
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