ロックウェルアイズ

街の上でのロックウェルアイズのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.9
下北沢を舞台に、音楽、演劇、映画、本など様々な文化を通して人々の日常を切り取った、今泉力哉監督作品。

これはまさにお守りにしたい映画だ。
パンフレットで主演の若葉さんがおっしゃっていた「この映画をお守りやキーホルダーのような映画にしてもらえれば」。
まさにそれ、自分にとって大切な映画になりました。
というのも、主人公の荒川の姿が自分の憧れの姿だったから。

下北沢で暮らしている。
ふらっと寄ったライブハウス。
一人で音楽をしていた。
やや、一匹狼的(Tシャツ)で、ウェイ系からはアウェイ。
ただ、口下手ではない。
本や音楽など文化人。
天パ。
魅力的な女性たちに囲まれている。
女性にも気兼ねなく下ネタを振れる(そしてそれを受け取ってくれる女性)。
芝居に挑戦。

自分が欲しい物を全部持ってる。
やりたいことを全部やってる。
かといって完全な理想形でもなく、共通点も結構あって抜けてるところもある。
ある意味、未来の自分を見ているかのよう。
数年後になりたい自分・少しはなれそうな自分=荒川青。
こんな感じの若者になりたい。
だからこそ、この映画全シーンがお守り。

前半は鮮やかな下北の文化と人、後半は恋愛日常コントへと傾いた。
今泉監督の男と女の描き方がすごい好き。
サッパリ女子と未練タラタラ男子。
浮気問題などなど男女間での問題って、本人たちは真剣でも第三者から見るとこんな感じのコントのようなものなのかも(物によりますが)。
間の取り方、すれ違い、日常あるある。
雪&マスター、荒川&イハwithイハ元カレのシーンは笑わずにはいられなかった。
今年1番笑った映画かも。
圧倒的主人公若葉竜也、存在感強めな4人の女性たち、朝ドラいじり成田凌(実はホットギミックいじりも)、そして街から飛び出してきたかのようなその他のキャストもみんな魅力的。
良いシーンだらけで特にどこが良かったとは言えないけど、敢えてあげるなら荒川・イハの麦茶二次会。
何時間でも何年でも観ていたい、近いようで遠いようにも感じる、お守りを越えて宝物にしたい、そんな映画でした。