まぁ概ね皆様の言う通りの中国/香港版"ダイハード"映画で監督は2のレニー・ハーリンなので
「もし彼が1を撮っていたらこんな感じの演出だったのかもなぁ〜」
なんて思ったりしながら観ていたワケでw
とはいえ話のサイズはミニマム、ブルース・ウィリスが〈絶対死なない男〉ならばコチラは〈意外と死なない男〉という感じだろうか。
展開の大味感は相変わらずで物理的に「そうまでなるか?」と言いたくなる程の動きもあったりして非常にハーリンらしいw
ただ、設定や展開は意外にも1作目ダイハードっぽい心理戦が多めである。
(だからといって緻密ではないけどw)
クライマックスはソレ相応に派手な展開だが、ネタバレ回避の為 遠回しに言えば
「ソコまで爆発にこだわるか!?ハーリンよ。」
とは思ったよw
まぁソレもまた彼らしいと言えば彼らしくもあったりしてw
まぁぶっちゃけ大味感&ドンデン返しや意外な展開は無いので尺がタイトなのは正解…というかコレ以上は持たないだろうって出来の作品。中身に関して言うならコレで終わって良い。
しかし、観ていて気になった事がある。
人物描写や心情の演出が『とても香港映画なのだ』。
良く海外の監督を招聘(しょうへい)した作品は観ていて「やはり監督が自国じゃないと人物の描写や役者自体の雰囲気とか変わるよね。」って思う事が多い。
(↑良い悪いの話ではない)
この作品、ソレがかなり薄いのだ。
それこそ「香港の監督がダイハードのオマージュ全開で撮りました!」ぐらいに観ていて"香港映画"なのである。
ココが気になって少し調べてみたら"ナルホド!"と納得。
作品に当たりハズれの多かったレニー・ハーリン、ハリウッドに活躍の場がなくなっていたところに香港からお呼びがかかった時に、撮りに行くゲストスタイルではなく
『移住した』のだそうで。
つまり本腰を入れて中国/香港映画に携わる気持ちで挑んでいるのだ。
わりと人気があって3度目のオファー…とかそんな話じゃなかった。
彼は本気だった。
実際、ハリウッドが絡む際の相手国の文化を汲み取ろうとしない姿勢を「ソレではダメだ」と察し、中国/香港のスタイルや受け入れられやすい描き方を勉強し、完全分業なハリウッドスタイルではなくスタッフ一丸となって作り上げるチャイナスタイルで作品に挑んでいるそうで。
コレすなわち
《郷に入っては郷に従え》
である。
つまりは香港映画界にリスペクトし、真摯に取り組んでいるという事。
それゆえの《とても香港映画》なルックなのだ。
もちろんそんな感じで頑張ってるから「映画も良い!大傑作だ!!」とはならないが、
ただの"お呼ばれ監督"じゃねぇぞ!
という意気込みを感じたし、素直に応援したいという気分にはなった。
初回作品【スキップ・トレース】のジャッキー・チェン=パワー等が無い分、中国/香港映画界の著名人を多数知らないワシにとっては余計に「新しい可能性をダイレクトに感じる作品」であった。
お世辞にも傑作とは言えない。
だがまるでダメダメな映画でもない。
実際 良い所は結構ある。
ツッコミポイントはまぁまぁあるが飽きる程じゃない。
気楽に観れるB級ライクな映画だ。
監督も万能型の人ではない印象は強いが、決して下手な監督ではない。
ノッた時のパワーはスゴい!って事は分かっている。
雷尼・哈林
(レニー・ハーリン)
この表記に賭けた監督が舞台を移した事で何かの化学反応が起き、素晴らしい傑作が産まれる事を願っている。