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グリーン・ナイトのasamiのレビュー・感想・評価

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)
3.9
『グリーン・ナイト』
公開初日に映画館にて視聴。
上映後にデビット・ロウリー監督のリモート舞台挨拶がありました。



イントロダクションからあっというまに中世の異世界に吸い込まれ、
ガウェインと共に重たい霧にまかれ、
雨に濡れながら彷徨いました。

隅々まで美しい映像とキャスティングが素晴らしい。傑作。



アーサー王の甥であるサー・ガウェインは、まだ正式な騎士でもなく、恋人エセルとただ怠惰な日々を送っていた。
クリスマスの日。
アーサー王の宴に異様な風貌の緑の騎士が現れ、“クリスマスの遊び事”として首切りゲームを提案する。
王の前で武功を上げたいガウェインは名乗りをあげ、緑の騎士の首を斬り落とす。
しかし緑の騎士は転がる首を自身で拾い上げると、
「1年後のクリスマスに私を捜し出し、同じように私からの一撃を受けるのだ」と言い残し、馬で走り去る。
それは、ガウェインにとって呪いと厳しい旅路の始まりだった。



14世紀の叙事詩「サー・ガウェインと緑の騎士」。トールキンによって現代英語に翻訳されたこの物語を、
大胆な解釈で翻案したのがこの「グリーン・ナイト」という映画だそうです。

アーサー王の甥であるガウェインは他の作品では高潔な騎士として描かれているようですが、今作では怠惰で言葉に力がない感じ…
周りに流されて「いつかはちゃんとしよう、そのうちにね」という若者。

その若者が恐ろしい呪いを受け、
名誉を得るために旅に出る…
騎士、男らしさの為に死に向かう旅…。

その道中で出会い、彼を導くのは
気がふれたような盗賊たち、
美しい幽鬼、巨人、言葉を話すキツネ…
何かを暗示する城主とその妻。

しかも旅は2つあります。
緑の騎士を探す旅、そしてもう一つ。
これは映画を観てからのお楽しみですね。

最高のキャスティングです。
主演のデブ・パテルは今作が代表作になると思います。
彼の醸し出す空気と人間らしい弱さ、それがこの異世界を私たちと繋げていました。
監督が彼と出会い作品の方向性を変えたというのも頷けます。

アリシア・ヴィキャンデルは真っ直ぐな少女とガウェインを惑わす女の二役。
天使の様な顔なのに妖艶です。
さらにバリー・コーガンは彼らしさ200%の
役で嬉しくなります!
可愛い!邪悪!

音楽も良かったな…
水の滴りとリンクするオープニングも良かったな…良い音響のところで見ても良いかも…

まだまだ語りたいことが沢山…
まずは観て、それからパンフレットを読んで解像度を上げてまた観る、が良いのかもしれません。

私も監督のリモート舞台挨拶でのお話で
雲が少し晴れて、なるほど、すごいよ…と感動しました。
(監督の剥がれたネイル?や猫ちゃんにも癒された)
隠されたトリビアがたくさんあります。
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