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ビクター/ビクトリアの一人旅のレビュー・感想・評価

ビクター/ビクトリア(1982年製作の映画)
4.0
ブレイク・エドワーズ監督作。

1933年にドイツで制作された『カルメン狂想曲』をブレイク・エドワーズ監督がリメイクしたコメディ映画で、監督の妻である名女優ジュリー・アンドリュースが歌手のヒロインを好演します。音楽は巨匠ヘンリー・マンシーニ。

1934年のパリを舞台に、ゲイのベテラン芸人:トディの提案で“女性のふりをした男性歌手”のふりをしてたちまち人気者となっていくヒロイン:ビクトリアの奮闘模様を描いたコメディ作品で、ヒロインが本当は女性であると疑っているクラブ経営者の男:キングとの駆け引きとロマンスを絡めていきながら、女装歌手のふりをしてスターダムを駆け上がるヒロインの数奇な生き様を華やかで多彩なミュージカルシークエンスをエッセンスに描き出しています。

そもそもヒロインが最初から女性に見えてしまうという致命的な欠点はこの際一旦忘れて、ポーランド人の女装歌手になり切って大衆を騙し続けるヒロインの風変わりな奮闘模様と、彼女を取り巻くこれまた個性豊かな芸(ゲイ)能関係者たちとの愉快な交流&騒動で笑わせてくれるエドワーズ流ドタバタ人情喜劇で、撮影時47歳と脂の乗り切ったジュリー・アンドリュースが溌溂とした“男性演技”と自慢の歌唱を魅せてくれますし、抜け目のないクラブ経営者に扮した名優ジェームズ・ガーナーの貫禄十分な立ち回りも見事であります。
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