登場人物が全員不器用で、みんなそれぞれ立場あるけど、全員の気持ちがわかると言うか…。
コロコロと感情が入る対象が変化していって、
見ながら「こうなって欲しい」
と思っても、数分後には
「あぁ、やっぱりこうならないで」
と気持ちがあっちに行ったりこっちに行ったりしながら観てました。
こういう作品って、観る時の歳に依って捉え方も変わるのかなと思います。
積み重ねて来た人生経験が響くと言うか…。
自分を育ててくれた親と照らし合わせて感謝の気持ちを持つにしても
自分が20代の頃に観てたとしたら、もっと違った方向からの感謝になってたかな。
重いとか軽いとか、いいとか悪いとか、深い浅いとかいう物差しではなく。
他にも
「生きるって本当に大変」
とか
「気持ちは素直に伝えた方が」
とかいう感想を抱く人は多いかもしれないけど、その言葉と共に心に浮かぶ景色って、人それぞれなんじゃないかなと思いました。
そういった意味では目の前の作品を観つつも思い浮かぶのは自分の過去とか経験とか、
「自分だったらどうするか…」みたいな、
「置換えされてくれる映画」だなと思いました。
きっと、誰もが知ってることだけど、皆不器用に生きていて、もがいたり、後悔したり、振り返ったり、振り返らなかったり、時折ふとこの世に生を受けたことに感謝したりしながら、一生懸命生きている。
いろんなことを積み重ねながら、嫌になったりもしながら
『そして、』生きてるんだなという思いに向き合わせてくれる映画でした。