回想シーンでご飯3杯いける

SEVENTEEN/セブンティーンの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

SEVENTEEN/セブンティーン(2019年製作の映画)
3.5
少年院で出会ったセラピー犬が知らない間に里親の下に出されてしまい、17歳の少年が施設を脱走。兄の助けを借りつつ、犬探しの旅に出るスペイン製作のロードムービー。

万引きや単車泥棒を繰り返しながら路上生活をする少年の様子を描く冒頭の構成がとてもスリリング。有名監督の作品じゃないけど、これは面白そうと期待させる。

捕まった少年は裁判所を経て少年院へ。どうやら初犯ではないようで裁判官から刑法の冊子をプレゼントされる。社会に対するクールな目線を持ちながら、自らの衝動を抑えられず少年院からの脱走を繰り返す主人公と、逆に包容力を持ちながら情に流され易い兄の対比が面白い。

物語のきっかけは犬だけれど、基本は兄弟愛をテーマにした作品で、爽やかな感動を味わえるラストまで、あっという間の100分だった。