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WAVES/ウェイブスのkapoのレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
3.7
愛ってとっても力強くて繊細。
運命に抵抗して流されるのか、
運命を受け入れて流れに乗るのか。

荒々しく割と雑な感じも受けた前半の
お兄タイラーパート、
裁判の時に妹エミリーの
表情が素晴らしく良くて、
そこからの後半妹パートが良かった。

泣く男性陣を優しくさする
エミリーの手が印象的で。
心をすり抜ける様な優しい
キュートな眼差しが
温かくて救われた。

オトンはThis is USの
あの目力の人やん!
と嬉しくなったけど、
圧がアニマル浜口を越えていて
息苦しかった。
目が血走ってるし。

これはもうアメリカの人種問題が
深く深くに横たわっていて、
代々受け継がれるアフリカ系アメリカ人
の怒りの思想が
オトンから息子へのプレッシャーに
反映されてたり、
(特に南部は強そう。マッチョ思想も含め。)

実際アメリカで生きるアフリカ系の
人達の現実って、
未だに想像以上に厳しいだろうから、

タイラーの行いは社会や色んなものが
絡み合った結果だとも思えるし、

それほど私たちって思う以上に
社会に動かされてるわなーと
改めて思った所存。

そこで許すってことが
どれほどに大事かって、
最後思えてキラリとした。

オトンとオカンはアフリカ系で、
タイラーはラテン系の彼女で、
エミリーは白人の彼氏ってのも
すごくアメリカの世代とか
キャラクターを表してる気がする。

アメリカのティーンの妊娠問題とかも、
諸々Theアメリカやったなぁ。

楽曲はぜんぶ好きだけど、
歌詞とリンクさせる演出は、
オシャレなカラオケ映像みたいであんまり。
フランクオーシャンの場面はすごく好き。

画が今どき過ぎたり
てんこ盛り盛りだったけど、
前半後半への演出は新しくて
監督のこれからに期待大。

タイラーも勿論、
エミリーとルークの演技が
すっごく良かった!
と思ったら実際も付き合ってるとか
嬉しすぎる。

出演者のインスタ見るのが
映画鑑賞後の楽しみのひとつ。
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