ぴろぴろ

Our Friend/アワー・フレンドのぴろぴろのレビュー・感想・評価

4.0

ガンを宣告され闘病生活を送る妻ニコル、彼女を介護する夫マット、そして彼らを支えた親友デイン、三人の物語。
実話だそうで、私も病気をした事があるので子供に話すシーンは冷静に観ていられなかった。
闘病の末に残念な経過を辿るのだけど、当然そこに至るまでには毎日の生活があり、健康で輝やいていた愛おしい日々もあり。  
闘病を描きながら、苦しみや悲しみ、愛する人を残して逝く、愛する人を見送る心の痛みだけではなくて、これまでの軌跡、ささやかな日常と思い出の描写が差し込まれ、人生の素晴らしさや儚さも描かれる。   
そしてこの夫婦の側にはデインが居た。
時系列が前後するので観ていて付いて行くのに少し忙しいが、俳優陣が素晴らしかった。
病状が悪化して行くと、段々と友人達がニコルから離れて行くのが辛かった。  患者が若いと尚更どう接して良いのか分からないのと、気遣いもあっての事なのだろうと今なら理解しているが、孤独を感じてしまう人も多いだろう。   
ニコルにデインが居た様に、当時ママ友たちが交代で、長男の幼稚園のお弁当を作って、夫の仕事が終わって迎えに行くまで預かってくれた。   子供の様子や食べた物などノートに記録してくれていた。   今でも当時のママ友たちとノートは宝物だ。
誰もがデインになれる訳ではないけど、出来る範囲で出来ることで寄り添えたら、多分それが1番なのだと思う。
そして限界のもっと前で、専門家に助けて貰う事も必要だと思った。   

『困った時に助けてもらう事は恥ずかしい事ではないの。
助けてもらったら、次は自分が誰かを助けてあげれば それでいいのよ』

シスターで、長男が通ったミッション系の幼稚園の園長先生の言葉。
実践出来ているかは別として、心に留めておきたい言葉。
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