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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのdojiのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

必要以上に長すぎるアクションの連続で徐々にイーサン・ハントとして観ることは不可能になるし、あんなにプロモーションでは嬉々として飛び降りてた崖のシーンも劇中ではビビりまくっててギャグにしか見えない。そんな中列車の壁をぶち破って乗車するトムにヘイリー・アトウィルが訊く「are you ok?」。それはまさに観客の意見そのもので、すかさずトムが返す「are YOU ok?」は、なんだかスクリーンのこちら側に向けられているような気がして、ちょっとじーんとしてしまった。ラストの一車両ごとの墜落大喜利はほんとうに見事で、ひさびさに口をあんぐりしながら釘付けになった。

レベッカ・ファーガソンの退場はとてもざんねんだけれど、死までのシークエンスは非現実的な美しさと凛々しさで溢れていた。ポム・クレメンティエフとヴァネッサ・カービーの振り切れた演技には目を離せないものがあったし、それもストーリーと同様に、意味より先に観客の目を惹きつけるための演出だったように思う。

すべてはアクションシーンのためにあり、動きそのものに惹かれてしまうことを観客に気づかせる映画でもある。john wickもストーリーを放棄して抽象世界にいってしまったし、「yeah」その他a few wordsしか言わなくなったキアヌとは違って、トムはまだ喋るし一応演技や筋立てもある。でもそのうち2時間無言でアクションだけを見せる映画がつくられる未来もあるように思う。それはそれで楽しみにしたい。


戸田奈津子さんの字幕はシリアスなシーンで急に「ネコババ」とか出てきてずっこけました。
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