なお

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのなおのレビュー・感想・評価

4.2
「ミッション:インポッシブル」シリーズ第7作。
公開前からそのクレイジーなバイクスタントを含めた予告編で世間の注目を集めた、本年最大級の期待作。

御年61歳を迎えた現代のアクションスター、トム・クルーズは当然のこと、個人的にはMCUで主役級の重要人物を務めたヘイリー・アトウェルとポム・クレメンティエフの共演にも大いに期待のかかる作品。

✏️シリーズ最大級
トム演じるIMFの一流スパイ、イーサン・ハントが演出するド派手なアクションと、前作から続投または本作から登場する個性豊かな敵組織との駆け引きの妙は間違いなくシリーズ最大級。

本作の鍵を握る”鍵”、このPART ONEの時点だとそれが何の”鍵”であるのかはほとんど語られることがない。
劇中ではそのまま「鍵」だとか「それ(entity)」と呼ばれる何かが、どうやら世界にヤバい影響をもたらすらしい、ということはイーサンも我々も何となく理解はしているのだが、本質的に”それ”が一体何であるのかはこれまたほとんど分かっていない。

このような、物語を進めるうえでのプロット・デバイスを「マクガフィン」と呼ぶが、このマクガフィンは過去作(『M:i:III』におけるラビットフット)にも幾度か登場してきた。

本作は、その「なんだかわからない何か」を巡る一連のアクション・シークエンスが実にお見事なのである。
個人的なお気に入りシーンは空港での一幕。
前述の”鍵”を巡る騙し合いの応酬には、思わずスクリーンに目が釘付けになった。

世界の平和と秩序を保たんとするイーサンたちの前には、新たな敵や過去からの因縁が立ちはだかる。
”それ”を巡る思惑が敵味方それぞれ交互に絡まり合い、スパイ映画における究極とも呼べる「群像劇」を生み出す。

比較的単純明快であった過去作に比べ、物語や人物相関図は実に複雑になり、上映中ちょっとでもボーっとしようものならあっという間に作品世界に置いてきぼりを食らうので要注意。
(事実、鑑賞から3日経った今もガブリエルがどういう出自を持つキャラなのかよく分かっていない)

トムの敵として登場するキャラたちにも、それぞれの魅力がたっぷり。
前作から続投の、白蜘蛛<ホワイト・ウィドウ>を演じたヴァネッサ・カービーに、ほとばしるサイコっぷりとバキバキの腹筋がたまらないポム・クレメンティエフ。

やはりいいアクション映画にいい悪役はつきもの。
次作「PART TWO」への期待を大いに抱かせてくれる。

☑️まとめ
若干のストーリーの分かりづらさを除けば、アクション映画として、M:Iの続編としてほぼ満点をあげても良いくらい夢中になれる魅力を持つ作品。

「PART TWO」は来年6月に全米で公開予定。
それまでに人物相関図をまとめておかないと色々忘れてしまいそうだな、これは…

<作品スコア>
😂笑 い:★★★★☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★☆
🏃‍♂️テンポ:★★★★★

🎬2023年鑑賞数:75(36)
※カッコ内は劇場鑑賞数
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