Pnori

コリーニ事件のPnoriのネタバレレビュー・内容・結末

コリーニ事件(2019年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

胸をすくような痛快な法廷劇ではなく。

正義と悪が何度もひっくり返る法廷劇で重要証人が後出しで何人も出てきたりするズルい展開が多い中、そんな姑息な荒技を一切使わない。…と言うか使うテクニックを持たない新人(にしちゃ中堅臭が漂う)弁護士が導いた結末は、正に一発どんでん返し。

だがその真実にあまりピンとこなくて(日本人だからか?)驚きはあまり無かった。

恩人を殺した被告の弁護人になると決めた主人公の葛藤とか、お兄ちゃんの事故は全然関係ないんかーい!とか、色々ギミックを仕掛けて推理させておいて全く違う真実に辿り着いちゃう肩透かしも見所の一つだったりする。

ナチスの非道な行為云々を詳しく知らなくても、武力で支配する独裁政治が行った極悪非道な犯罪は何年経とうとも罪が消える事はない。時代が悪かったなんてだけで片付けてしまってはいけない。

原作が小説らしいので、全て描ききるには時間が足りなかったのかな。散りばめられた伏線が宙ぶらりんのままだったのがちょっぴり惜しい。
もう少し主人公側の背景も描いて欲しかった。終盤に彼に付いてきていたアシスタント達の存在も気になった。

てか、そこが一番気になったとか言ったら台無し?(笑)
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