ぶちょおファンク

mellowのぶちょおファンクのネタバレレビュー・内容・結末

mellow(2020年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

序盤★1.5 中盤★2 終盤★1.5

『愛がなんだ』(公開当時のオレスコア★4)が印象的だった今泉監督・脚本作品。
(過去作『パンとバス〜』★2.5)

良い点
◯今泉さんらしい価値観の台詞回しや映像センス。

残念な点
●全体の雰囲気が鼻につくオシャレ感。(古民家カフェだと思ってたら一目では分かりづらい花屋とか…)
●そのオシャレさとは対極でバランスを取る存在の庶民的ラーメン屋にて調理シーンがほぼない。
汗だくでガンガンに中華鍋を振る可愛すぎる店主(岡崎紗絵)というギャップの画も観たかった!
(それをしない、出来ないのが今泉さんのセンスなんでしょうけど…)
●手紙で“夏目さんが好き”と彼女の気持ちを知り両想いが分かってから花を持って行く(告白)展開の締めはダサすぎる。

☆総評
観てて感じたのは「今泉監督ってオシャレなのは良いけどほんの少しの“崩し、外し、抜け”感とかがなくスマートすぎんねんなぁ〜…」ということ。

今作で言えば“イケメンなのに華やかさのない花屋”とか“町の古いラーメン屋の店主が可愛く若い女性”はオシャレな中の崩し的要素ではあるけど結局崩しきれず綺麗なままで“造花”のような印象しか受けない。
映画はフィクション、エンタメなんで造花でもちろん構いませんが、もっと“生花”と思わせる面も欲しかった!

『愛がなんだ』は原作有りで物語を紡ぐプロ(しかも大作家)が書いただけあって軸が太く面白かったけど、今作は表現作家としての今泉さんが描きたいモノをふんわりとカタチにした良さしか自分は感じられず物足りない。

こういう路線の先頭集団に岩井俊二さんがいますが、その二番手集団につけている今泉さんには期待しているだけに評価は厳しめです。


2021年60本目(+短編4本)