sonozy

ストレンジ・リトル・キャットのsonozyのレビュー・感想・評価

3.5
スイス出身のラモン・チュルヒャーの長編1作目。
英題『The strange little cat』
秋の土曜日の朝。両親と末娘クララ、犬と猫が暮らすアパートに娘のカリンと息子のサイモンが帰ってきている。
親戚が集まる夕食会のためだ。

やって来るのは、
来るなり洗濯機の修理を始める叔父と、無表情な視線が気になる息子ヨナス。
サイモンが迎えに行った、薬のせいですぐ眠ってしまう祖母。
日に焼けた叔母とチェロを背負った娘。
クララに会いに来た近所の少年。

母がカリンに、昨日祖母と行った映画館での隣の男の話を。
カリンは母に、散歩しながらオレンジの皮を少しづつ剥いて捨てた時の不思議な現象の話を。
サイモンはカリンに、パーティーでバルコニーでバーベキューした際の酔った女の話をする。

ミキサーの動作音などに紛れて叫び声を上げるクララ。
鍋の中で回転し続けるガラス瓶。
階上に暮らす女性が太りすぎて動けず友人が届けてくれる食料品を引き上げてる紐。
糸が緩んだヨナスのシャツのボタン。
部屋にいた蛾。
猫を踏みつけようとする誰かの足。
ベッドで寝てる猫をじっと見ている犬。
クララとヨナスが遊ぶConnect 4(4目並べ)。
クララがメモしている単語(すべて綴が間違ってる)や数字。
手紙に書かれた少年の肺に関する?物語(モノローグ)。。
などの気になり要素。

ジャケ写は夕食後の歯ブラシ中に兄サイモンにちょっかい(キス)されてムカッとしたカリンですが、本作の主役は二人の母かな?
どこか影のある視線、読み取れない表情..
猫もちょっと不思議な存在ではありますが、タイトルにした意味は分かりません。

「人間の集まり/一緒にいること」についての三部作の1作目のようですが、次の『ガールズ&スパイダー』と比べてしまうと、登場人物が何考えてるのか分からない系の薄気味悪さインパクトは弱めですが、独自のゾワゾワ感です。
sonozy

sonozy