ミサホ

ロストガールズのミサホのレビュー・感想・評価

ロストガールズ(2020年製作の映画)
3.7
Filmarksでの平均scoreが低い作品だけど、なかなか良かった。未解決事件だから、もんやり終わる…というのが、scoreに表れたのかな。

シリアルキラーには何故かすごく興味があって、色々と調べたり、本を読んだりしてます。中でも「FBI心理分析官」は、なかなかのエグさもあり、定期的に読み返します。

そんな本を読んでは、よくこんな人間が存在するなと驚くのはもちろん、その人格や育った環境、思考、衝動なんかは、どの殺人鬼もやはりどこか似通っていて、さもありなん、といった感じです。

さて、本作です。
アメリカで実際に起こったロングアイランド連続殺人事件を基に作られている。

物語の進行がゆったりで、わたしなんかはそれがとてもリアルに感じた。人によってはそんな展開の遅さが気になるのかも。

行方不明になった娘を探す母マリー。見た目や言動は、決して上品とは言えない彼女だけど、娘を思うひとりの母親だ。

今はどうか知らないが、被害者が売春婦だった場合、そうではない被害者と比べて捜査の進行や取り組み方に明らかな違いがあったようだ。

主人公マリーの娘シャナンも売春をしていた。けれど、命の重さは同じだよね。また、殺された日、シャナンと関係があったとされる医師の男。容疑者のひとりであったのに、警察に嫌疑なしと判断された。

そうやって社会的地位や職業などのイメージから、一方は存在価値を軽んじられ、一方は尊重される。

そんな理不尽さに立ち向かう女性たち。
追悼会といって、この事件の犠牲者の親族や友人が一同に会し、互いの話を聞き、支え合う…その交流は違う次元での結びつきを感じさせる。

悪くない作品だった。
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