Kuroita

オーディナリー・ラブ ありふれた愛の物語のKuroitaのレビュー・感想・評価

5.0
悲しみに似た青い色調を起点に、夫婦が他愛のない話をしながら、ありふれた日常を紡いでいく。
どんな悲しみの物語にも劇的な方へと人生を覆えさせない覚悟。
彼女が病を乗り越えたら何か変わると思っていたけど、乗り越えた今、何も変わりたくないと言った言葉が、わたしにはありふれていなくて、心に刺さった。
超えたからって何かを得て、スーパーマンになぞならなくてもいいんだな。
2人は確かに共有していた。
亡くした娘も、その思い出も、妻の乳房すらも。一部だったとゆう表現がでてきたけれど、ありふれた愛とは、誰かの一部だということだけで十分成立してしまうものだ。
最後、クリスマスに家族だけじゃない他人を招けるようになった夫婦は、
また劇的には変わらない日常を2人でそっとささやかに歩いていくんだろうなと思って、わたしはとっても優しい気持ちになりました。
Kuroita

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