ユンファ

デンジャー・クロース 極限着弾のユンファのレビュー・感想・評価

3.3
つまらないわけではないが、かと言って突出した部分もない無難な出来の戦争映画。
林中での近接戦闘のため、絵面的にも地味。
終始戦闘状態を描いてはいるが、体育会系丸出しの中隊長とか、ふざけてる奴が瞬殺されたりとか、「戻ったらアイツと結婚するんだ」とか、このテの映画で100回は観た展開が続出するため、今一つ緊迫感に欠ける。
そうした中でも良かったのは、軍隊の中の上下関係がしっかり描かれていたこと。バカでも分かるアホな命令を出してくる上官、更にその上のクソな上官と、現代社会にも通じる縦社会の悲哀と中間管理職ポジションの辛さを感じた。
また、「戦争は絶対にいけない」といった説教臭さが一切ないのも良い。映画は国のために死んでいった兵士たちに捧げられており、敵軍を殊更に悪く描いてもいない。「国のために死んだ英雄たちに、国は何をしてくれましたか」という、いわゆるランボー系のメッセージが込められており、そういう意味では異常に長いエンドロールこそが本編とも言える。
戦争映画にしてはシンプルで分かりやすく、それなりにエンターテイメント性もある良作だ。
ユンファ

ユンファ