今日は、東京国際映画祭でたいへんお世話になった矢田部さんが企画した「ウクライナ映画人支援緊急企画: ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督作品上映会『アトランティス』」に参加してきました!
ウクライナの監督さんが作った映画を上映して、その収益をウクライナの映画人への寄付にしようという矢田部さんの素晴らしい企画。
上映前には、なんとこの状況下で監督のヴァレンチン・ヴァシャノヴィチさんが送ってくれたというビデオメッセージに大きな拍手が!
作品を見て驚いた! 2019年の作品だが、あたかも今のウクライナでの戦争を予見したかのような内容だったからだ!
「ロシアとの戦争が終わって1年が経っ2025年」という設定。ということは、この世界では2024年まで戦争が続いていたということか。
舞台はウクライナ東部「ドンバス地方」。覚えてしまうほど毎日ニュースで聞いているワードだ。
戦争によるPTSDで自ら命を絶つ元兵士。
ロシアが残していった地雷を処理し続ける部隊。全部撤去するにはこの先15〜20年かかる。
町中に放置されているウクライナ人やロシア兵の死体を回収する終わりのない作業。
何もかもがリアルだ!
クリミア戦争後、こういう新たなロシアとの戦争が起こることを「フィクション」として想定し映画にしたものが、現実になってしまったという悲劇。
現実の戦争はいつ終わるともしれないが、作品の中でも荒れ果てたウクライナの町は「人の住めるところではなくなってしまった」とされ、主人公も「いっしょに外国に行こう」と言われるが、最後に彼が言う
「ここが俺たちのいる場所だ」
という言葉に、監督の思いを見た。
そして2019年にではなく、「今」見たからこそ、そのメッセージがどすんと重く胸に響いた。
ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ監督は、現在もキーウ(キエフ)に残って戦争の惨状を残すべくフィルムを回しているとのこと。監督が無事に生き延びて、そのフィルムを見られる平和な日々が戻ってくることを願ってやまない。
本上映会を企画してくださった矢田部さんに感謝。そして本当に参加できてよかった。
この上映会のチケットは全て完売ということだが、寄付は4月12日まで受け付けているそうなので、お気持ちのある方は下記URLまで。
https://motion-gallery.net/projects/standwithukraine