アキラナウェイ

約束の宇宙(そら)のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

約束の宇宙(そら)(2019年製作の映画)
3.6
音楽を坂本龍一が担当しているとの事で、鑑賞。

ドイツの欧州宇宙機関 (ESA)で過酷な訓練に励むフランス人宇宙飛行士のサラ(エヴァ・グリーン)。離婚後、7歳の娘ステラと2人で暮らしていたが、彼女がクルーの1人に選ばれたミッションでは、国際宇宙ステーションに1年間滞在することになる—— 。

「007 カジノ・ロワイヤル」でお見かけした時から一目惚れですよエヴァ・グリーン。今回も変わらず美しい。全てのショットに惚れ惚れする。

ステラをお風呂に入れ、寝かしつけ、母親業と宇宙飛行士としての訓練シーンとが交互に映し出される。男性ばかりのクルーに囲まれ、「女性」という目で見られる事にも負けられない。サラがギリギリの精神状態でこのミッションに臨んでいるのが痛い程に伝わってくる。

特に、アメリカ人宇宙飛行士マイクを演じたマット・ディロンが絶妙にイヤな奴で。本当にこの人、イヤな奴役が似合う顔しているわ〜。

迫る打ち上げの日。

宇宙に飛び立ってしまえば、1年は娘と会えない。ともすれば地球に帰還出来る保証もない。過酷な訓練と娘との別れの中で葛藤する姿が…切ない!!

ステラ役を演じた子役ちゃんも可愛いし、上手いし、言う事なし。

良くも悪くも真面目に・誠実に作られており、宇宙飛行士がどのような訓練や生活を送っているかを丁寧に描き、そのリアリティに惹き込まれる。と同時に、少し冗長に感じてしまうのが残念。

意識しなければ、坂本龍一の音楽とは気付かないかも?だけど、そこまで作品に馴染ませる事が出来るのもまた才能か。

「完璧な母親がいないように、完璧な宇宙飛行士もいない」

劇中の台詞が印象的。

撮影は欧州宇宙機関(ESA)の全面協力の下、ドイツ、ロシア、カザフスタンの宇宙関連施設で行われたと言うのだから、そのリアリティは折り紙付きで、一見の価値あり。