悶

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホームの悶のレビュー・感想・評価

5.0
【鑑賞のきっかけ】
スパイダーマンのシリーズを永らく観続けてきた私としては、絶対外せない本作品でしたが、劇場鑑賞を逃してしまいました。
動画配信で鑑賞可能となりましたので、早速、鑑賞することに。

【率直な感想】
ひたすら感動、感動の一作でした。
大ヒットするのも納得の作品。
2時間半の上映時間も、あっという間の大傑作ですね、これは。
とにかく、スパイダーマンへのファンサービスが凄すぎです!

<これまでのスパイダーマン作品を振り返る>
劇場公開用に制作された実写版スパイダーマン作品は、本作品を含めて8作品です。
1.サム・ライミ作品(3作品)
サム・ライミ監督、トビー・マグワイア主演のもの。
「スパイダーマン」(2002年)、「スパイダーマン2」(2004年)、「スパイダーマン3」(2007年)
2. マーク・ウェブ作品(2作品)
マーク・ウェブ監督、アンドリュー・ガーフィールド主演のもの。
「アメイジング・スパイダーマン」(2012年)、「アメイジング・スパイダーマン2」(2014年)
3. ジョン・ワッツ作品(3作品)
ジョン・ワッツ監督、トム・ホランド主演のもの。
「スパイダーマン:ホームカミング」(2017年)、「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」(2019年)、「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」(2021年)

<ジョン・ワッツ作品の鑑賞にあたって>
本作品を含めた3作品は、サム・ライミ作品やマーク・ウェブ作品と違い、マーベル・シネマティック・ユニバースというマーベルのヒーローたちが同じ世界に存在するという設定になっており、第1作の前年の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(2016年)と、第1作と第2作の間の2作品、「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」(2018年)、「アベンジャーズ/エンドゲーム」(2019年)にも、トム・ホランド演ずるスパイダーマンが登場しています。
「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」は、作品紹介記事などでストーリーを知れば十分かもしれませんが、「インフィニティ・ウォー」と「エンドゲーム」は、鑑賞していないと、話が繋がらなくなるので、ご注意を。
実際、私は、第2作を「エンドゲーム」未見の状態で鑑賞してしまい、話がいまひとつピンと来ない部分があって、慌てて「エンドゲーム」を鑑賞したという経緯があります。
なお、本作品のWikipediaの作品紹介ページは、思いっ切りネタバレしていますので、鑑賞前に読まない方がよいでしょう。

<これまでのスパイダーマン作品の集大成>
さて、ここからが本作品の感想。
作品が始まってすぐ、私は、本作品は、サム・ライミ作品やマーク・ウェブ作品のオマージュ満載の作品だな、と感じました。
ところが、話が進行していくと、これは、「オマージュ」どころか、これまでのスパイダーマン作品全体の「集大成」ではないか、と感じ始め、その気持ちは鑑賞を終えた今も、変わっていません。
こうしたシリーズものの場合、本作品の場合ですと、ジョン・ワッツ作品の第1作、第2作は、本作品は「その続編」という位置づけなので、必見となります。
でも、それ以前のシリーズ(サム・ライミ作品、マーク・ウェブ作品)は、ご参考までに、となることが多いです。
ところが、本作品に関しては、私は、サム・ライミ作品とマーク・ウェブ作品も必見と思っています。
もちろん、鑑賞していなくとも、それなりに楽しめると思います。
しかし。恐らく、「感動」の深さが違うのではないか、と。
ただ、5作品すべてだと大変なので、評価の高いものだけをチョイスする方法でもよいかもしれません。

<あの大事な格言>
スパイダーマン作品では、昔の格言に由来するフレーズが、主人公ピーターの胸に深く刻まれています。
でも、これまでのジョン・ワッツ作品では触れられませんでした。
それが、本作品で、物語の核となるシーンで、語られるのです。
このフレーズは、スパイダーマンが、ヒーローとなるために必要な、ある種の信念のようなもの。
そう考えると、本作品は、ピーターが名実ともに、ヒーローとしてのスパイダーマンに成長していく物語と呼べるかもしれません。

【全体評価】
サム・ライミ作品の第1作から、およそ20年。
この長い年月をかけて、スパイダーマンのシリーズは、本作品を以て、ひと区切りがついたようです。
しかも、そこには、大きな感動が待っていた。
スコアが、5までしかないのが残念。
10くらい付けたくなってしまいますよ。
悶