あつぼう

ジャンゴ 繋がれざる者のあつぼうのレビュー・感想・評価

ジャンゴ 繋がれざる者(2012年製作の映画)
4.0
主人のもとで人間性を奪われ、妻を奪われた奴隷のジャンゴは、賞金稼ぎのシュルツと出会い、自由を与えられ、彼と共に銃の腕を磨き稼いだ金で妻を買い戻そうと決意。手配犯を次々と捕らえるなか、ジャンゴは生き別れた妻がカルヴィンなる農園主に買われたのを知る。彼女を救い出すため、ふたりは冷酷非情なカルヴィンに立ち向かうがってお話し。

クエンティン・タランティーノが西部劇を撮ると、こんなにも痛快でスカッとする展開になるんですね。今まで観た西部劇とはセリフも含め一線を画しているように思った。特に撃たれた時の血の量がハンパなかった。これだけ血が流れる西部劇って今まで観た事がなかったかも。

黒人奴隷制度が描かれているけど、同じ人間を家畜のように扱い、売買するって、こんな時代があった事を信じたくないぐらい酷いです。黒人が馬に乗ってるだけで驚かれる時代なんで、どれだけ黒人が差別されていたか伝わってきますね。

オープニングから奴隷のジャンゴをシュルツが助けるシーンがあるけど、もうここからカッコ良すぎました。こんな時代に黒人をパートナーにするシュルツも変わり者ですが、彼の言動が本当にカッコ良かったです。
ジャンゴの早撃ちも凄かったのですが、何よりも悪役を演じたディカプリオの演技力が圧巻でした。一瞬にして笑顔から鬼の形相に変わるって、観ているこちらにまで怖さが伝わってきました。
そして妻のブルームヒルダをケリー・ワシントンが演じているけど、もう体当たり演技でこちらも圧巻。【6888郵便大隊】でも凄い演技をしていたので、今後注目したい俳優の一人です。

音楽も秀逸で2PACの曲が流れてきた時には鳥肌が立ちました。タランティーノはこういうセンスも抜群ですね。

こうやってタランティーノの映画を観ると初期の名作を観直したくなりました。
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