ぽち

オフィシャル・シークレットのぽちのレビュー・感想・評価

3.4
主役演じるキーラの好演が光る観応えのある作品。そしてテーマも含め深く考えさせられる。

ただ今作はキャサリンの視点で描かれていることに少し不満が残る。映画としては上手いドラマ作りでこの描き方が合っているのだが、これを元に事実を再確認しようとすると、かなり偏ったものとなるだろう。

それを考慮の上で、エンターテイメントとして今作を楽しんだほうが良いと思う。こんなすっきりするオチは現実ではめったにお目にかかれないのだから・・・・

面白いのが「もし」と言うことを想像して全体を見てみると、この事件がキャサリンにとってどれほど幸運に進んだのかがわかる。
特にイラクの大量破壊兵器が見つからなかったことは大きい。

もし見つかっていたらアメリカは「法を犯してまで国民を守った正義の国」、キャサリンは「稚拙な正義心の愚か者」だろう。

実際にはアメリカの一握りの権力者の利権のために仕組まれた戦争であり、他国もこれに随従した共犯者なので正義のヒロインとなった。

考えさせられるのは、これは偶然なのだろうか?それとも歴史の必然だろうか?

そしてこの事件最大の「もし」は、新聞社のお間抜けさんが余計な校正をしなかったら・・・・・・・だ。
もしかしたら戦争が起こらなかったのかもしれない。
今回一番決定的に歴史を作ったのはこの娘かもしれない。
ぽち

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