これは、実に痺れる快作だ。
米国が、証拠ないままイラクに攻撃したあの事実関係をリークした職員を、国が追い詰めるという、実話のポリティカルホラーだ。
誰がリークしたかというのは、割と前半にバレてしまい、この映画の焦点は、個人を国が全力をあげて追い詰めていくという恐怖性にある。
主人公の筋の通った、間違ったことは決して迎合せずに向かい合うクレバーな姿勢にも痺れる。
とにかく会話劇であり、用語も割と飛び交うので、画的な盛り上がりがないと感じてしまう人もいるかもしれないが、ハマる人にはとことんハマるだろう、げんに私は何度も感嘆の溜息が漏れてしまった。
日比谷シャンテで上映中の「ジョーンの秘密」も同じようなスパイ映画だが、そのクオリティの数千倍上をいく面白さのように感じてしまった。
間違っているならそれを指摘し、是非を問う。正しいことを貫く大切さが本作からは学べるだろう。
素晴らしい快作でした。
