ノラネコの呑んで観るシネマ

水曜日が消えたのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

水曜日が消えた(2020年製作の映画)
4.2
曜日ごとに異なる七つの人格を持つ男。
その中の「火曜日」が主人公。
実際にこんな症例があるのかは知らないけど、発想が面白い。
ワンアイディアから主人公の生活と葛藤、色々な想像が広がってゆく。
1週間に1日だけを生きる火曜日の僕が、ある時突然水曜日に目を覚ます。
最初ははじめての二日目に喜びを隠せない火曜日は、やがて消えてしまった水曜日の人生に想いを馳せる。
終盤まで特別なことは起こらない。
ただ誠実で優しい火曜日に感情移入し、彼と共にちょっと特殊なシチュエーションで、彼(彼ら)の”最良の選択”に迷う。
てっきり原作ものかと思ったらオリジナル。
普通に考えたらサスペンス系に行きたくなるところだが、外ではなく内側にドラマを膨らませてゆく手腕はなかなかだ。
ありそうで無かったタイプの映画。
火曜日とヒロインの背景設定など、ディテールもよく考えられている。