あさのひかり

リチャード・ジュエルのあさのひかりのレビュー・感想・評価

リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)
3.6
これも観ようと思ってるうちに上映終わってたの。基本的にはいい映画だと思うし、心動かされたけれど、どうしても許せない点があるのでこれ以上の点数はちょっと。

杜撰な捜査と煽動的なマスコミ、早く犯人捕まって欲しい世論が力になって、これだけでとんでもないことになって不条理に苦しむ人が出ちゃう、っていうのは、この作品やこの事実に限らず本当にあってはならないことだと思う。いや本当に、特定できる証拠ないのにこの捜査って。

あと、ジュエルが陥りがちな事態やその心理は本当よく描かれてる。ジュエルやり過ぎと思うことも多々あってとてもヒヤヒヤしたけど、だからこそ疑われやすいこととか。それなのに、結局肝心な真っ直ぐな怒りをぶつけられなくて、自分の中で葛藤するしかなかった感じとか。あの感じ心当たりあるから、その後の流れは熱くなったし、これ本当大事だな、って思わずにはいられなかった。そういう意味では、この作品観て良かったとは思うけれど。

ただ一点、映画の背景を調べて知ったことだけど、女性記者のキャラ設定だけは私はダメだと思う。ステレオタイプな見方で人を見ちゃダメ、このことが人を傷付けちゃうから、ってメッセージもあるこの映画だからこそ、実在した人に対してこの描き方はちょっとないんじゃないかと。
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