「リチャード・ジュエル」🎬7
1996年、アトランタで開催されたオリンピックで爆破テロ事件が発生する。警備員のリチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)が爆弾の入ったバッグを発見したことで、多くの人々の命が救われた。だがFBIは、爆弾の第一発見者だということを理由に彼を容疑者として逮捕。リチャードを担当する弁護士のワトソン・ブライアント(サム・ロックウェル)が捜査に異議を唱える中、女性記者のキャシー・スクラッグス(オリヴィア・ワイルド)の記事をきっかけに容疑の報道は熱を帯びていく。
クリント・イーストウッド監督作品。
「運び屋」のレビューを読んでいただければお分かりいただけるが今まで彼の作品にあまり触れて来なかったけど「運び屋」を見てその観点や描き方、演技に感銘を受け今作も楽しみにしていた。
「スリービルボード」のサムロックウェル、「フライドグリーントマト」や「タイタニック」のキャシーベイツが出てるとあればさらに期待値が上がる。
期待を胸に鑑賞したかったけど…あまり期待値を上げすぎるのも良くないと今までの映画鑑賞の経験上思っていたので抑え気味に前情報もあまり入れず鑑賞しました。
作品としてはとても派手なシーンがあるわけではないけど無理なく映画の世界へ誘ってくれてあっという間の129分でした。その淡々としているバランスがちょうど良くて眠気が襲ってくることもありませんでした。
FBI、メディアに翻弄され英雄から爆発犯に仕立て上げられた彼の運命…
それをどうにか「無実であるという真実」を世間に訴えようとする母ボビと弁護士ワトソン。この2人の演技がやっぱり光りましたね。
あの会見のシーンの母の切実な訴えは目頭が熱くなりました。
ワトソンはどこか普通のおじさんみたいな風貌だけど彼のリチャードに寄り添う姿はグッときます。
こういう華美ではない作品をしっかり描けるクリント・イーストウッド監督は流石だなと思いました。
この短いスパンで作っているとは信じられない作品の出来です。
彼にはもっともっと映画を作って私たちに届けてほしいですね。
そして今年の夏、いよいよ東京でオリンピックが始まります。
何ごとも無く無事に終わってくれることを願うばかりです。
私的には☆☆☆☆かな。
