ロックウェルアイズ

チャンシルさんには福が多いねのロックウェルアイズのレビュー・感想・評価

3.6
ある日宴会中に監督が急死し、映画プロデューサーのチャンシルさんは突然何もかも失ってしまう。
映画一筋で生きてきたチャンシルさんだが、プロデューサーってどういう仕事?と聞かれても上手く答えられない。
気づけば男も子供も家もない。青春なんてもちろんなかった。
しかし、そんなチャンシルさんにも遂に春が訪れる。

映画初めが1月31日になってしまいました……
無性に韓国映画が観たかったのと、一本目らしく福がいっぱいな作品にしようってことで。
「福女チャンシルさんに福を分けてもらおう!」的な映画を予想していたら、「チャンシルさんをみんなで応援して福を分けてあげよう!」的な映画だった。
はじめは皮肉を効かせまくったタイトルかと思ったけど、なんだかんだ福が周りに溢れてたよねって話。

正直なところ、特にすごく記憶に残るわけでもなく、こういうタイプの映画はそんなに好きでもないけれど、全然嫌いじゃないし、ずっとボーッと観ていられる。
この映画が福そのものみたいな感じで、何がなのかは上手く言葉にできないけれどなんだかすごい元気が出る。

ごめんなさい。多分自分もノーラン派。
だけど、チャンシルさんが東京物語を推すのも何となく分かる。
まだ観たことないけど、この映画みたいなどタイプじゃないけどずっと観てられるいい映画なんだと思う(勝手な想像)。
日本人として小津安二郎くらい履修します、すんません。

韓国映画を観たかっただけに韓国らしい空気感をしっかり感じることができたのは何より。
カットが綺麗なのが印象的だった。
レスリー・チャンの幽霊としての扱い方も丁寧で良い。
冒頭の監督の急死が劇的に描かれるところからしてセンスが高かった。

役者陣がとても良かったな。
チャンシルさんはやつれてる時と終盤の方とでまるで別人かのようだし、ユン・ヨジョンの大家さん役は流石だし、フランス語教師もレスリー・チャンも2人を見守る女優もみんな良かった。尊い世界だった。
ふとした時、気分転換に観たい感じ。
おすすめできる。

〈余談〉
公園にトレーニング器具が遊具みたいな感じであるのあれいいな。