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ジェントルメンのmaverickのレビュー・感想・評価

ジェントルメン(2019年製作の映画)
4.5
2019年のアメリカ・イギリス合作映画。監督は『スナッチ』のガイ・リッチー。


ガイ・リッチーらしさに溢れた作品で素晴らしい。スタイリッシュで非常にセンスある演出には惚れ惚れする。コミカルでありながらも生々しく重厚な全体のバランスも秀逸だ。これぞガイ・リッチーと思わせる、まさしく原点回帰の面白さ。クセのあるキャラクター達が巻き起こす、愛すべき人間ドラマだ。

本作の主人公ミッキー・ピアソンを演じるのはマシュー・マコノヒー。
まさしく「ジェントルメン」なカッコよさがたまらない。インテリ系のボスだが、相手にすごみを見せる時の迫力はぞっとさせる。人間味ある間抜けな姿が笑いどころであり、それらが合わさった何とも魅力的なキャラクターである。演技派であるマシュー・マコノヒーだから際立つ主人公だ。

ヒュー・グラント、コリン・ファレルの二人は意外性のある役で楽しませてくれた。主人公を支える右腕的な役柄のチャーリー・ハナムの存在感も抜群。『クレイジー・リッチ!』のヘンリー・ゴールディング、『ダウントン・アビー』のミシェル・ドッカリーなど、クセのあるキャラクターを演じる豪華俳優陣に釘付け。歌手のスティングの娘、エリオット・サムナーも出演していて驚いた。

いわゆるギャングの抗争の話なのだが、怖いもの知らずな若者の集団がそこに介入してくるのが面白かった。SNSの使い方なども含め、ルールや常識が通用しない点で脅威。裏社会の大人が翻弄される姿は滑稽だが、無法者集団のリアルな怖さで笑えない部分もある。現実問題を取り入れ、リアルな怖さを演出してある監督の手腕に感心させられた。


これは想像以上に良作だった。どういう話なのか、わくわくしながら物語に聞き入る楽しみがある。例え方も洒落ているし、演出が上手い。デジタルの時代にアナログな映画へのリスペクトが詰まっているのが感慨深い。映画マニアにウケが良い作品だと思う。

ガイ・リッチーこのところ好調じゃないか。これは次回作も大いに期待が持てる。
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