あんず

花椒の味のあんずのレビュー・感想・評価

花椒の味(2019年製作の映画)
4.5
たまに自分を天才って思う時がある。それは、その時の気分にピッタリの映画を無意識に選んでいた時。この作品は公開時に観たいと思っていたものの既にあらすじをほぼ忘れていて、観始めたら「うわ、今の気分にピッタリ。天才だ」と思った。そして、内容もジワジワ染みて来る良い作品だった。

香港、台北、重慶に住む別々に育った三姉妹が父の死をきっかけに初めて会い、父の火鍋のスープを再現しようとする中で結ばれる姉妹の絆とそれぞれが見つめ直す父や他の家族との絆。過去は変えられないけれど、過去を違った視点で捉え直したりすることは出来るんだな~。

アンディー・ラウが主人公の元フィアンセの地味な役で出ていてビックリ。隠し切れないオーラが出ていたので、すぐに本人かどうか確認した。主役は私は知らないが有名なアーティストのサミー・チェン。アーティスト写真とは別人のような真面目な長女を好演。義母姉妹の三女役は、大好きな『芳華』の文工団の中心的人物だった。次女は初めて見る人だけど、ボーイッシュなハスラーが良く似合っていた。そして、『星願』の主役オニオンが医師役を好演していたし、何といってもお父さん役のケニー・ビーの佇まいが素敵だった。

火鍋が無性に食べたくなり、翌日食べに行った。
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