フィルムのザラザラした感じが懐かしくて良かった。上白石萌音と松村北斗の共演は『カムカムエヴリバディ』の大恋愛を思い出す。でも、本作は恋愛映画ではなくて、そこがまた良かった。2人の演技も素晴らしかった。PMSとパニック障害という症状に悩まされる者同士、理解し助け合おうとする物語。
本人にとっては大変な事が起きてはいるけれど、日常が淡々と進んで行く。主役の2人以外にも栗田科学の社長など痛みを抱えている人たち(映画の主役になれそうな人たち)がサラッと出て来る。映画的には派手なシーンはないのに、目が釘付けになった。多分、私にも障害があったり、PMSに似た症状が出たこともあるし、同じような悩みを抱えるグループセラピーにも参加したことがあるから、共感する部分が大きかったんだと思う。
痛みを知っているから、他人の痛みに寄り添える部分は大きいと思う。自分のことは解決が難しくても他人を助けることなら出来るというのは、障害の有無に関わらずある。それぞれに得意不得意、好き嫌いが違うから。
栗田科学は人も業務内容も素敵だった。栗田科学に取材に来ている学生さんたちがしっかりしていて、頼もしかった。移動式プラネタリウム、生解説付きで観てみたいな~。