冬原春子

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編の冬原春子のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

*原作の無限列車編以降のネタバレ含みます

文句なんてないに決まってる!
全人類IMAXで観てくれマジで
映像、構成、音楽、アニオリ完璧としか言いようがない!!!!
アニメ、単行本、本誌全て視聴済み
アニオリ部分が分かるように何度も何度も7、8巻を見返してストーリーはもちろんセリフも分かるようになって準備万端で観に行った。
4月に公開日が発表されてからおよそ180日の積りに積もった期待をいとも簡単に超えられてびっくり。
観る前から期待しすぎているかもと不安だったが杞憂でしかなかった。
替えのマスク持っていてよかったと心底思うほど号泣した。

まず炭治郎の夢、鬼舞辻無惨があの日家に来なければ鬼なんて信じず刀を握る日なんてもちろん来ず家族で支え合って日々を重ねていたはず。
みんなで煎餅をパリパリいわせながら食べるのが楽しかったなあ…と炭治郎が前にこぼしていたその煎餅を焼こうねと話していてすごく辛い。
炭治郎の好物のタラの芽じゃなくみんなで食べるのが楽しかった煎餅ってとこがさあ…。
兄弟ならではの軽い掛け合い、日の光を浴びて昼間も外に出られる人間の禰豆子、何より家族のみんなが生きている幸せな夢。
お風呂の水を汲みに行く時に川の中から隊服を着て日輪刀を持った炭治郎が夢の炭治郎を川に引きずり込むところ、水の表現がすごく綺麗で良かった。
戻らなければならないと家族のもとを離れる炭治郎は本当に心が強い。
六太くんが泣いて待ってよと縋り付くところで涙腺決壊。
その後の魘夢の手伝いをしている人間の子供達に言う「幸せな夢の中にいたいよね、分かるよ」の言葉に込められた感情がすごい。

煉獄さんの夢では煉獄さんの心の強さが窺える。
母を亡くし1番辛い時に父親の心が折れ、支え合って生きていかなければいけない時にとても辛い状況になる。
それでも弟の千寿郎くんに温かく強い言葉をかけて必死で刀を振って鍛錬をして自分を鼓舞して柱になったのだろうと思うととても私にはそんな風にはなれない。
一つ驚いたのは千寿郎くん意外と声低いんや…ってなった 
もっと可愛らしくて幼いイメージだった
豪華版パンフレットのドラマCDを聴くとこの辺がまた染みる。
兄弟の絆が本当に強い。

善逸の夢の禰豆子ちゃん可愛すぎるやろ…
善逸の理想の禰豆子ちゃん、首をこてんと傾げたりあざと可愛さが半端じゃない。
浮かれて人並外れた俊足で走る善逸もかわいい。

伊之助の夢も好き!
自分が親分になってヌシを倒す探検隊!
うさぎの禰豆子ちゃんがかわいいしあの伊之助が少し禰豆子ちゃんを丁寧に扱ってるところが成長した〜!
初対面のおなごを踏みつけにしていたあの頃の伊之助はもういない!!
夢と無意識領域がすごく似ていて不思議。
あと伊之助の「俺外に出て走るからどっちが速いか競争する〜」ふんすふんすしてて可愛いのでめちゃくちゃ好き。

それぞれの無意識領域も個性が出てて美しかった。
炭治郎は澄み切っていてあたたかい、煉獄さんは燃えている。
壊そうとしている人間を核に案内してしまう優しい小人がいるのはすごく炭治郎らしいし真っ赤な色の核はすごく煉獄さんらしかった。
善逸の無意識領域が体に纏わりついて重いような暗闇だということもこれだけで色々語り尽くせそう。
煩いし騒ぐし女の子の前でヘラヘラして光属性の人間かと思いきや自分が鬼を倒す所を自分だけは見られず自信はないし無条件に愛されたこともなく爺ちゃんに拾われるまではどうやって生きてきたか詳しくは明かされていない善逸は他キャラとの対比も含めてどこまでも語り尽くせる。

戦闘シーンもさすがの迫力だったな〜!
煉獄さんの炎の演出も今までの炎と色が違ったり、狭い車両の中を最大限活かした直線の攻撃が映える演出がそれはそれは最高だった。
煉獄のアニキかっこいいなあ。
アニオリの長い鬼と対峙したときに伊之助が突っ込んで行き、攻撃を受けそうになった伊之助をサッと端まで運んでから逃げ遅れた男性を救うところ、コマ送りで見たい。
柱ならではのスピード、判断力、実力が凄まじくてこの人がいれば大丈夫だと思わせる安心感がすごい。
善逸は技を出すのが1度だったけれどあの列車の外から善逸が禰豆子ちゃんのもとに急ぐ稲妻のエフェクトが車両を貫いていくカメラワーク良すぎる。
そして霹靂一閃の映像映えやっぱり羨ましい。めちゃくちゃかっこいい。
黄色だけでなく青色の稲妻があるのが個人的に天才だと思う。
水の呼吸もヒノカミ神楽もさすがの美しさ。列車の上で炭治郎vs人形の魘夢の時なぜ眠らないんだ!って驚いて技打ちまくる魘夢の顔がかわいい。
炭治郎と伊之助の共闘がもう本当に良すぎる!!!!!!!!
那田蜘蛛山以来の共闘、あの時とはお互いの信頼度が全然違う。
伊之助は親分は俺だって言いつつ(かわいい)炭治郎の言葉を素直に受け取るし(かわいい)守りつつ守られつつお互いの動きを把握して上の空間をふんだんに使って立ち回る姿が迫力凄くて感動した。
あそこもコマ送りで見たい。
どちらかが肉を斬り、すかさずどちらかが骨を断つ!かっこよすぎません?
伊之助の技も派手なエフェクトは無くともあの刀のギザギザ感が獲物を狂い裂くような感じが獣って感じで好き。
後方5両を守る煉獄さんも凄すぎるけど2人で下弦の壱の頸を切る炭治郎と伊之助の成長が本当に良い。
車掌が列車の下敷きになった時に「お前の腹刺したやつだろうが。列車の下敷きになってて足が潰れて動けねえ。ほっときゃ死ぬ!」みたいなこと言ってたのがシビアで伊之助らしくて好き。
俺が死んだらこの人が人殺しになってしまう…とか思う炭治郎も炭治郎らしさ全開で良い。

そして猗窩座戦!!!!!
原作読んでない人はまさかここで上弦が出てくるとは1ミリも思ってないと思う。
そして上弦の名に恥じぬ圧倒的な強さ。
登場シーンの音楽が今までにない感じのロックでかっこよすぎる。あの曲めちゃくちゃ好き。
石田彰さんは正直上弦の他の鬼に来たらいいなあと思っていたので予想外だったけれどすごい合ってた。
さっきあれだけ圧倒的で下弦とはいえ十二鬼月に対しても傷ひとつ負わず安心感のある戦いをしていた煉獄さんでも押されるのか…と不安になってくる。
でも上弦の強さを見せつつ決して煉獄さんが弱いとも思わせない絶妙な戦闘シーンが最高だった。
結末を知っていてももしかして死なないんじゃないかと思ってしまった。
猗窩座の破壊殺も雪の結晶の術式が細やかで綺麗だった。
原作で描かれていたよりも長い戦いで見応えも迫力も本当にすごかった。
何度も何度も見たい。
鬼に勧誘する猗窩座、頑として受け付けない煉獄さん。
上弦を相手にしても一切臆することなく冷静に一手一手を繰り出していてもうかっこいい。
腕が腹部を貫通してもなお相討ちに持ち込もうとする心と身体の強さ、憧れるしかない。
猗窩座が逃げる時の炭治郎の咆哮、煉獄さんの最期の言葉。
セリフまで分かっていたのに涙が止まらなかった。マスクがびちゃびちゃになっていたし水膜で視界がぼやけていたけど気にならなかった。
辛いことがあってもどんな時でも心を燃やして刀を握り戦い続けてきた煉獄さんの言葉。
今は折れてしまっている父の身体を気遣い、遺してしまう弟への希望。
そして目の前にいる炭治郎たちへ俺は君たちを信じる、君たちは弱くない、心を燃やせ、歯を食いしばって前を向け、胸を張って生きろと。
ウッ無理…
母の瑠火さんが迎えに来てちゃんとできましたよと笑みをたたえて褒めるところもあの伊之助が泣きながら信じるといわれたからには応えること以外考えるんじゃねえ!と叫ぶところも炭治郎が何度も何度も泣きながら煉獄さんを呼ぶところも全部全部心に刺さった。
鬼滅の刃は言っていることがずっと一貫している。
傷ついても傷ついても生きていくしかない、時を巻いて戻す術はない、蹲っても時間の流れは止まってはくれない、共に寄り添って悲しんではくれない。
誰の人生だろうが大なり小なり絶望はあるけど、そこで止まらずに進むことこそが心の強さであり成長である。
この1話から変わらないメッセージがとても好きだ。
そうだ、あと煉獄さんが亡くなったことを伝えなければならないし泣きながら飛ぶ鎹烏と報告を聞いた柱たちの反応も印象に残ってる。
蜜璃ちゃんはそれはそれは辛いよね。これはドラマCD聞いたり煉獄外伝読んだりしてて更に辛くなった。
あと伊黒さん。勝手に幼い頃当時の炎柱に救われて煉獄さんとは一緒に遊んだり鍛錬した日々があるかもしれないと思っていて、顔も見せずに「俺は信じない」の一言。すごくつらい。
それぞれの反応がそれぞれの性格を表していた気がする。
つい先日まで共に戦っていた仲間が死んでいくなんて日常的にあるだろうしそこでいちいち悲しんで嘆いていたら前に進めないけどきっと煉獄さんの死は柱のみんなからしたら悲しかったと思う。
裏表のない熱い性格でたくさんの人から好かれていたと思う。
お館様の200人の乗客は誰一人として死ななかったんだね。杏寿郎はすごい子だね。の言葉も刺さった。
本当にすごかったんです。

あとついでに日が差したときに慌てて禰豆子ちゃんを箱に戻す善逸、誰よりも禰豆子のことを大切に思ってるしちゃんと見てるし任せられる。勝手にそう思う。


1時間57分という限られた時間の中で煉獄さんがどんな人なのか、何を抱えて生きているのか、どんな思いで戦っているのかを知ってすごく好きになって憧れてから黎明に散るところを見て絶望するし憧憬の念が絶対的なものになって映画が終わっても心に残っているの作った人すごすぎる。

炎も歌詞がしっかりリンクしているし、エンドロールで煉獄さんの絵が出てきて弔いじゃん…って更に泣いた。
ぬくもりと痛みに間に合うようにとか呼び合っていた光がまだ胸の奥に熱いのにとか煉獄さんの命の灯火が消えていくさまが…
夢が一つ叶うたび僕は君を思うだろうとか煉獄さんの言葉がしっかり炭治郎に残っていて、教えられたことを胸にこれから生きていくという感じが現れていて泣いちゃう。
特に好きなのが前だけ向いて叫ぶからっていうところ。
炭治郎でももう無理かもって思うことも凹むこともあるけど、叫んでしまうけど、ちゃんと前は向いているからというのが本当に好き。
炎聞くだけで泣く。
いい曲すぎる…LiSAさんが泣きながら歌ってるところ見て死ぬほど泣いた。


なんか思ってたことを振り返りながら備忘録として書いてたら長くなっている…
開いてしまってスクロールする邪魔になってたら申し訳ないです。
推敲もしてないし誰かに見てもらいたいとかなしに感情のままに書き殴ってしまったけど楽しかった。

とにかく何度も見る。
本当に最高だった。
早く2期発表してください…
冬原春子

冬原春子