りょう

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のりょうのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

友達と視聴。その友達はアニメをある程度見たぐらいなので映画の内容自体は知らないが、私は漫画で完全に内容を知っている状態で視聴。それでも序盤から泣くに泣いた。マスクがびしょ濡れに。近くでは鼻をすする音が聞こえ、見ている人の多くが泣いていた。さすが鬼滅の刃と言わざるを得ない。

あらすじは鬼に乗っ取られた列車を舞台に鬼殺隊の炭治郎たちが乗客を助け鬼を倒すという話だ。原作とほとんど一緒の流れと内容であった。

炎柱である煉獄杏寿郎がただただカッコいい。今後の話で登場こそしないものの、大きく影響を与えていることは間違いない。彼の生き様をひたすら感じられる作品である。彼がこの作品の中で目を閉じて笑うシーンが3回あるのだが、その笑顔が可愛いすぎて心を奪われてしまった。1度目は列車の中で、2度目は寝ている炭治郎と話しているときに、3度目は彼の最期に。普段目がギラギラしている分、目をつぶって笑う姿が印象的かつタイミングが泣かせに来ているのでついつい
泣いてしまう。あそこまでカッコいい信念を持つ彼ですら、自分の人生が正しかったのかを自問自答するシーンや母の存在、言葉を重んじているシーンがあるのだが、そのシーンが彼が我々と同じ人間であることを感じさせる。どんな完璧な人でも自分のしてきたことが心配になり、母に頼りたくなるのだ。そこにそれまでは感じれなかった人間味を強く感じる。ただただ、強く信念が固い人ではないのだ。内面は自分が送った人生を疑い、弟を心配する、普通の人である。私は彼のそこに惹かれてしまった。彼の奥義を見ているとそんなことは思いもよらないだろう。

また鬼滅の良さは、かなり長いセリフにあると思う。アニメ一話での富岡義勇の生殺与奪の権しかり、頑張れ炭治郎しかり、あのセリフが我々の心を熱くする。今回は鬼が逃げるシーンで炭治郎が負けてないと叫ぶシーンが熱い。ほかには炭治郎の無意識に入った少年のセリフのシーンも泣ける。逆に炭治郎がボソッと「帰りたくないなあ」と言うセリフも泣くしかない。炭治郎にとって家族が生きている生活は夢であっても幸せに違いないだろう。そのことがわかる分そのセリフに泣かされる。家族を侮辱されて怒るシーンもかなり鳥肌が立った。

やはり漫画で見るより圧倒的に面白い。アニメ作品を見た時から思っていたのだが、漫画より話のテンポも内容も絵も間も全てが整っている。ただ少し思ったのは、アニメの映像が凄すぎて映画化の映像のハードが少し上がってしまったのか、アニメと映像レベルがそこまで変わらないような気がした。アニメ映画をあまり見ないのだが、こういうアニメ作品はそれぐらいのものだろうか。3Dアニメーションも何度かあったが特段凄いわけでもない。だがアニメが凄すぎただけで、悪い訳ではないので全く問題はない。

最後のEDではLisaの「炎」が流れ、黒色を背景に煉獄の絵が段々現れ、所々ですすり泣く人がいるので煉獄杏寿郎のお葬式のようになっていた。お通夜かもしれない。

何はともあれ、アニメか漫画で無限列車編までは見ていないと理解できない内容があるので予習は必須である。映画の序盤にこれまでの鬼滅の総括みたいなのが無いのも話がスムーズに進むので高ポイントだ。

アニキャラの葬式に出てみたい人は是非。
りょう

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