キモサベ

ブータン 山の教室のキモサベのレビュー・感想・評価

ブータン 山の教室(2019年製作の映画)
4.5
いやぁ~、やられました
“空”が違う、“空気”が違う、そして“心”が違う・・・です
ブータンですかぁ、何処にあるのかも知らないお国からの映画
勿論、お初です

ここはブータン、『国民総幸福』を掲げるこの国で、都会に暮らす青年教師の主人公ウゲンは辺境の地に赴任を命じられます
もともと教師の道を諦め、夢であるオーストラリアで”歌手“になろうと決めていた矢先の彼でしたが、長官の命もあり、渋々引き受けることに
人口56人の村ルナナ、そこは片道に8日もかかる、標高4800mにあるおよそ“文明”とかけ離れた別世界
彼の村人たちとの交流がはじまります

では、あれこれ書いてまいります
授業の初日、寝坊先生を生徒の委員である少女が起こしにやってくるシーン
自分が観ていた劇場内、この少女(ジャケツの少女です)の顔がスクリーンに映し出された時、観客からため息とも驚きともつかない声があがりました・・・長いこと映画館に足を運んでいる自分ですが、中々珍しい光景です
それは観客が、可愛い少女のその吸い込まれそうな澄んだ瞳に圧倒された瞬間でした
ずるいよ、これで一気に物語に引きずり込まれてしまいました
さて脱線ですが、自分的にこの”澄んだ瞳“で思い出すのが、「バシュランギおじさんと、小さな迷子」(15年)です こちらはインドの映画でしたが、やはり主役の少女の瞳・・・こっちもずるかったなぁ(・・・って、別にずるいことないか)

そしてさらに『村娘の青年教師への淡い恋心』・・・と、くれば?
そうです、こりゃもう「初恋のきた道」(99年)・・・でした
えっ、恋の行方ですか? そこまで書くほど野暮じゃない

最後にラストについて
青年はこの先どのような人生を歩むのでしょうか?
これも、“もちろん”書きませんが、中々暗示的でしたよ

今回スコアは4.5としました
少女の瞳に・・・
そして初めてまじまじと見た“ヤク”の姿に・・・
さらに、家に帰って早速地図で調べた、ブータンという国に・・・
ということで、プラス0.5点、おまけです
『たいへんよくできました』
清々しさに、そして本作を選んだ自分に・・・いい気分だっ

【追伸】
この手の上質な映画といかに接して行くか?
いわゆる単館系作品はチャンスを逃すとその“存在”さえ知らずに終わってしまうじゃないですか
ましてやレンタルにも落ちてこないでしょうから、こりゃもう常に網を張っておかないと・・・そう、自分との闘いです

また自分は、特にこの手の作品は事前にストーリー知っちゃうのが余り好きでないので、タイトルとポスターから極力“匂い”を嗅ぎ取るようにしています
当たりあり、ハズレもあり・・・それも映画鑑賞の楽しみのひとつ
でしょう
本作などは大当たりの部類でしょかねぇ
キモサベ

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