映画というより再現V。「世界まる見え」で見るやつの完全版と思って見てほしい。ドキュメンタリー作品でもない。
主役が基本的にはおらず、タイの洞窟での出来事を淡々と順を追って見せていく。そのため、物語として、映画としての魅力はほぼない。
あのとき、こんなことが起きていたんだと知れることがすべてであり、脚色もほぼない気がする。役者すら出ていたのかと思うほど、登場する人、みんなリアルだった。
最後のコーチのところだけなぜか焦点を当てて、少し映画チックに演出していたが、なぜそこだけなのか、構成バランスはめちゃくちゃ下手。
もっと閉じ込められた子どもたちが、どうやって助けを待ったのか、飢えに耐え、希望を捨てなかったのか、寒さなどはなかったのか、ダイバーは何分くらいかけて洞窟に潜り子どもたちを運ぶのかなど、知りたいことだらけだが、結局分からずじまい。
さすがに途中からのダイバーのジム目線だけでは、映画にはならない。なぜ、コーチや子どもたちを主役にしなかったのか謎だ。子どもたちと外の助ける人の二軸で、同時進行で描ければもっと面白くできたと思う。
そもそも、何で洞窟に行ったのかくらい、教えてくれ。そして、何で途中で引き返さず、3キロも奥に奥に行く必要があったのか、理由を知りたい。