よっしい

戦争と女の顔のよっしいのレビュー・感想・評価

戦争と女の顔(2019年製作の映画)
4.0
ロシア映画を最後に見たのは、たぶんキンザザだと思います。昔過ぎですね、、、

あの奇抜なSFから一変、ノーベル文学賞(ノンフィクション)を受賞したスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチの映画を観てきました。

面白いという作品ではないです。
言葉を選ぶなら、スゴい。

一人称視点を多用し、臨場感溢れるカメラワークで、戦後の平和なロシアで苦しむ女性たちを描いています。
軍病院で自身のPTSDに悩まされつつ働く人見知りのイーヤと、戦地戻りの戦友、奔放なマーシャ。二人の心の揺れ動きを丁寧に、はしょらずに描いています。その時間の使い方にに好感が持てました。
二時間超と長丁場ですが、観ている間に退屈を感じません。

雰囲気や間の取り方が昔の日本映画のよう。画面が数十秒止まっていても、辛さ、逃避、倒錯、自己欺瞞、、、心の機微が感じられます。
洋画と邦画の垣根が無くなった思いです。

いやーー、もう一度観たい作品に出会いました。
よっしい

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