松田

聖なる犯罪者の松田のレビュー・感想・評価

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)
4.5
面白かった!信仰心の全く無い自分も興味深いと思った!

主人公のダニエルは、ひょんな事から“嘘”の司祭を演じる事になり、その中で町の人から信仰を集めるという“事実”を積み重ねていく。
それが出来たのは、ダニエルが過去に犯罪を犯し、その上で聖職者になりたいという特殊な立場だったからどちら側の立場の人の気持ちも分かったからではないか。それが多くの人への慈悲や理解を可能にしたと思う。

必ずしも過去に犯罪をしたからといって悪行を続ける人間が全てではないし、犯罪を犯していない人間の中にも悪は存在する。
この世の中が抱える矛盾もこの広大な世界のほんの一部でしかないはずのあの町から垣間見る事が出来た。

しかしどれだけ善行を行っても行いたくても、過去を変える事はできず、永久に囚われつづける。そんな善悪2つの事実の摩擦が痛いほどに内包されていたと思う。

そんな物語が行き着いた最後は、それらの世界や人々が抱え続ける歪みがもたらす必然なのだろうか?
松田

松田