OB

ようこそ映画音響の世界へのOBのレビュー・感想・評価

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)
4.0
評判も良く観たかった本作をアマプラでレンタル鑑賞。

今では当たり前のように聴いている映画に関する音(セリフ、イフェクト、BGM)が、如何にして進化してきたかを前半パートで、後半では上述の各役割がどの様に作られているかを、その筋のキーパーソンのインタビューや、実際の映像をふんだんに盛り込みながら解りやすく解説していく。

進化の歴史を振り返ると、エポックメイキングを起こすのはやはり先見の明のある天才(監督、音響エンジニア)と、シンボルとなる作品の存在だと改めて認識。

なかでもやはり、音響の領域においても『スター・ウォーズ』の存在は特出している。

1976年当時迄のSF映画は、いわゆる電子音楽(ピコピコ音)を音響に使用し、それ風を装っていたが、ルーカスは生音に拘り、ライトセーバー音やチューバッカの声など、全ての音を現実世界にある音から採録した。それがリアルさや色褪せなさを生んでいるという。

道具や技術の進歩は違えど、いつの時代にも必要なことは、本質的に良いものを見極める力とそれを具現化する創意工夫なのだろう。

映画好きならば観て損はない作品。本作を観ると、もっと映画が観たくなる。

個人的には、“先見の明のあるジーニアスと作品”に、黒澤監督と『七人の侍』が紹介されたことが嬉しかった。
OB

OB