イ・ビョンホン、ハジョンウ、マドンソク。
白頭山の大噴火を舞台に韓国全土を救わんと、この3人が大奔走する。
もう、それだけで十分ではないか。
マドンソク、これまでパンチがある役しか観たことない。それが今回、この3人の中で1番内勤。
それがちょっと驚きで、ちょっとマジメにオドオドしてる感じが何か初々しい。
ハジョンウも、まさかの退役する日にものすごい任務を言い渡され、強引に軍のチームの編成に。
技術チームとして同行するはずが、いつのまにかその技術チームが前線で孤立し、孤軍奮闘のリーダーに。
イ・ビョンホン。
ハジョンウのチームの目的のために半ば拉致された北朝鮮の要人役。雰囲気と貫禄がもう別格。
このハジョンウとイ・ビョンホンの前線でのやり取りがこの物語の中心になる。
任務のために嫌々遂行してさっさと退散したかった軍人と、北も南も白頭山の大噴火でもう後がないことを知って己の目的を果たそうとする北のスパイ。
韓国はこの手の人間ドラマはお家芸。
まさに今回も『新感染』並みの、テンポの良いアクションと世界の危機感を背景に、個人個人のこれまた背景が違ってそれぞれに事情と目的が見え隠れするドラマがある。
しかも、韓国、中国、アメリカが白頭山の噴火を止める手段を巡って政治的駆け引きがあり、本部は主導権争いがある。
だから、現場も北朝鮮で韓国とアメリカがやり合うというなかなか凄まじい展開もある。すげぇな、いよいよこの国たちがこの辺の国境でここまでなし崩しになってる映画もない。
そして、本部も現場も、信念貫くために、韓国勢がかなり危ない橋を渡る。
危ない橋というか、結構、他国の裏をかいたり、国際的な関係や条約度外視で愛国のためにめちゃくちゃやる。
この辺が日本人から見ると、他の国を一切頼らず、自分の国は自分たちの手で!他は邪魔だ!と言わんばかりのスタンスが逆にあっぱれ!って思う。
隕石の上の『アルマゲドン』ならいざ知らず、地続きの朝鮮半島で、韓国の大危機を、北と南が境を超えて、プロはプロでも何かちょっと路線が違うプロたちが、本筋と違うまさかの半島の滅亡を食い止めんとする、大スペクタクルディザスタームービー。
アジアのCGディザスタームービーもここまで来たか。
技術力も迫力も、ドラマも、スケールも、また限界を突破した気がする。
地震と共に生きてる日本人としては、なかなかリアルだけど、街の無残な姿よりもそこから負けんとする人の力、止めようと可能性がゼロではない限り前に本職でなかろうと進み続ける姿に胸打たれる。