とものすけ

カサブランカのとものすけのレビュー・感想・評価

カサブランカ(1942年製作の映画)
4.0
仏パリが占領された後で唯一アメリカに脱出することが出来た街カサブランカで繰り広げられた物語である。カサブランカまではみんなたどり着くことができるがそこから先、ポルトガルのリスボンに行ける人はビザを手に入れられるお金持ちもしくはコネのある人間だけだった。カサブランカで足止めをくらい、用意してきた資金も尽き否応無くカサブランカに住み着いてしまう、主人公のリックもそうだった。
リックはバーを営んでおり、その奥で賭博もやっていた。その賭博はリスボンに行けない人のためにも行われており、ドイツ人将校やお金持ちから得たお金を彼らに賭けの勝ちとしてあげていた。
そんなリックの店にラズロという地下組織のリーダーとイングリット・バーグマン演じるエルザがやってくる。数あるお店の中で、自分の店に来る運命にリックは翻弄されつつパリを思い出す。
かつてパリにいた頃にリックとエルザは愛し合っており、徐々にドイツが迫って来る中でも変わらぬものだった。しかし、二人でパリから脱出をする間際にエルザは手紙を残して消えてしまう。
そんな切ない過去とどこか晴れ晴れとしないフランス領で行われる愛と自由への物語。

全編を通して、リックの人情家な部分と男気は素晴らしい。皮肉を言うけれど人を助けるところはきちんと助ける。決めるところは決める部分は憧れる。
自分の立場を危うくしてでも守るべきものを見定めて、
一瞬の酔いによって残ることを決めてもこれから先後悔するぞと言っても聞かないエルザに対して、僕にはパリがある。あの思い出があるから大丈夫さと言ってエルザを送り出すシーンは、劇場で見ていたら泣いていたかもしれない。

オープニングにフランス国歌が流れていることから、ちょっとしたプロパガンダの意味合いも映画にあったんじゃないかなと思う。
イングリット・バーグマン超絶可愛い。と言うかこの時代の女優さんは本当に綺麗な人が多いこと。なりたくてもなれない、誰かに見つけてもらえなければこの世界に入ることすら出来ない時代はスターがスターだった時代なのかな。
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