とものすけ

特攻大作戦のとものすけのネタバレレビュー・内容・結末

特攻大作戦(1967年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

反上層部なライズマン少佐が12人の凶悪犯を集めて、困難を団結によって乗り越えてドイツに一泡吹かせるそんな物語。

12人は凶悪犯でありそれぞれが絞首刑、禁固刑、重労働と重さが違っているし犯罪を犯した理由が業とか正義感と様々。キャラクターがはっきりと分かれており、バランスが取れている。お調子者に反骨精神バリバリ、黒人枠、ひょろひょろ、ガタイのいいやつ、言語ができるやつ等。1人サイコパスが混じっており、それが計画をさらに混乱させてしまう。制御のできないサイコパスは極限状況では本当に危ない。

ライズマン少佐がかっこいい。フランコの反骨精神を上手に利用し自分を悪者にすることで、全員を団結させた。その上で訓練を乗り越えてきた隊員たちにご褒美をきちんとあげる人。
最後の方は計画がぐちゃぐちゃになってしまうし、結局生き残るのはこの人たちなのかという感じだった。フランコが死んでしまうなんて思わなかった。
誰よりも悲しんでいたのはライズマンだろう。育てた自分の部下が目の前で死んでいくのを見るのは辛い。
仲よくてもいいやつでも運があっても死ぬときはあっさりと死ぬ。弔う暇も悲しむ時間もないまま突き進まなければならない。同情なんて戦場には何の役にも立たない。そんなことをすれば自分が死ぬ。
だからこそ自分の信念は置いておいて、歯を食いしばって、前へ進む。
それが薄ら虚しさと隣り合わせの強さなのかもしれない。

いろんなブログを見ていると、ナチスを敵にしていた彼らは非戦闘員や女性を殺すことで最終的にナチスと同等になってしまう。焼き尽くせ、これが戦争だ!が示しているのは普通の論理なんて役に立たないってことでしょうか。奪われたら同じように奪う。
そして、それを肯定し恩赦まで出す軍部。本当に汚れているのはこの人たちでしょう?ってのが目を引く感想でした。
あとは、虐殺のシーンをどうして入れたのかというのもありましたが、あのシーンがないと、戦争の後味の悪さに繋がらない気がします。あの行為が評価されるのが戦争なんだと思う。
いろいろと思っているけれど、言語化できてない私はいつになったらできるのかと思うけれど、まあ無理なので、出来る範囲で吸収していくのが幸でしょうか。
とものすけ

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