あさのひかり

この世界に残されてのあさのひかりのレビュー・感想・評価

この世界に残されて(2019年製作の映画)
4.3
ホロコーストで家族を失った少女と医師の心の傷と絆のお話。

言葉にしずらい繊細な感情が、それは美しく丁寧に描かれていて。舞台となったハンガリーの歴史に詳しければこの話の背景をより理解できたとは思うけれど、でもふたりの思いや悲しみは、そんなの全然関係ないくらいに切なく真っ直ぐに伝わってくる。

医師の悲しみをたたえつつも優しい眼差し、少女の悲しさと裏返しの激しい感情表現、とにかく二人の感情の描き方が見事でした。また、社会状況に振り回されざるを得ない二人の関係、どうなるかとハラハラしながらの最後の結末も良かったな、と。
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