くうみるつくる

僕の好きな女の子のくうみるつくるのレビュー・感想・評価

僕の好きな女の子(2019年製作の映画)
3.2
はっきり言って、終盤、仲野太賀くんが登場するまで、
もう、いつやめてもいいくらい、この映画に興味を失っていた。
ところが、太賀くんが実直そうな社会人の風貌で登場してからは一変。

特に感動したのが、食堂で、太賀くんと大知くんが二人だけで向かい合わせに座り、
それをちょっと遠くから(たぶん)撮っている長回しの 1 シーン。

ときおり、じっと大知くんの顔を見つめている太賀くんの目がいい。
言葉は少ないけど、何を言いたいかよくわかる。
また、大知くんが懸命に本心を隠そうと繕う様に泣ける。

そのあとのベンチでの太賀と奈緒とのシーンもよかった。
会話しているのに、あえて(たぶん)、ベンチに座る二人の後ろ姿しか見せない演出も素晴らしいと思った。

「おまえさ・・」


私も言いたい。
気づけよ、もてあそぶなよ、と。

大知のモノローグ
「僕が見たことのない君の顔を誰かが見ている
エルボーとかキックとかじゃなくて、君に触れてみたい
お互いが好き同士という絶対的な安心感の中で眠ってみたい」
・・・
そしてエンディングの歌。
いいね。じんとくる。

終わりよければすべてよし、ってこれなんだな、と実感した。
最初の方、どんだけひどかったか、もう忘れた。

又吉直樹の原作を読んでみようと思った夜。
星は少し甘くしよう。