くうみるつくる

花束みたいな恋をしたのくうみるつくるのレビュー・感想・評価

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)
2.5
そんな風にキレイに別れられたら、苦労しないよ。

思考や行動が全く同じで、息もぴったりな二人だから
別れる時も、タイミングから熱量から、ぴったり一緒なんだね。
同棲解消時の片付けや荷物分けも、そうやって笑って二人で処理できるわけだ。

うらやましい。
これ、皮肉じゃなくて。

これが坂元裕二流?
いまどきの別れ方?

あの可愛い二人がどうやって別れるのか、すごく興味があったけど
最後にきて、
それまで積みあげてきた感情や高ぶりが、いっきに萎えた。

主演二人はすごく上手だし魅力的。
だんだん二人の歯車が合わなくなって、ちぐはぐになっていく様子も、
リアルで胸にこたえた。
じゃあ結婚しよう!のくだりも二人の感情が痛いほど伝わった。

でも、恋愛の最後は、そんな愛憎を分かち合った分、
精神的には 「修羅場」 なはず。
断末魔 ともいえる心の叫びがあふれて・・
笑ってさよなら? そんなことできる?
そんなに早く心を切り替えられる?

ま、観ている方は気が楽になったけど。
あ〜それがこうゆう映画のいいところなのかな。
わたしが言ってる精神的な「修羅場」は、
二人の中ではもうとっくに済ませている案件なのかな。
ん、そうかもしれない・・。

ただね、これだけは言わせて。
現在の二人が偶然再会して別れる時、片手だけあげて振り返らずに手を振ったよね。
相手はそれを見ていないだろうと察した上での
さよならの表現だったんだろうと思うけど、

いらないよ、それ。

観客へのメッセージだとしても
その表現、使い古されているだけでなく、
あの二人には 似合わない と思った。


それから、もう一つ。
最後のファミレスで、彼らと瓜二つの若いカップルが出てきたけど、
リアリティがなさ過ぎている
清原果耶を出演させたいがため?
清原果耶ちゃんに落ち度はないけど、その演出にひいた。

手押しの信号機のシーンとか、
好きな場面やセリフはたくさんあったけど、
やっぱり映画って、最後が大事。

ファミレスの前で抱き合って号泣してるところまでは
大好きな映画だった。

いいところだけを賛美したいけど・・
私だってそうそう「修羅場」の多い人生を送ってるわけじゃないけど・・。笑
これが本音。

宇宙の片隅で、好きなように書かせていただきます。